洗車後にヘッドライトが水滴で曇った時の原因と対処法
洗車後や、雨の中を運転した後、ヘッドライトの内側に曇りや水滴がついてしまうのは、パッキンの劣化やコーキングの甘さが原因です。
ドライヤーなどで一時的に水滴を取り除くことはできますが、根本的な解決のためには、パッキンやヘッドライトユニット自体の交換、コーキングのやり直しなどの対応が必要になります。
それでは原因と水滴の取り除き方などについて詳しく解説していきます。
ヘッドライトが曇ってしまう原因
ヘッドライトの内側に水滴がついてしまう原因は以下の通りです。
- 想定された温度差での曇り
- バルブに付いているパッキンの劣化
- ヘッドライトユニット周辺のコーキングの劣化
- ヘッドライトユニットの部品が破損している
ある程度の曇りは車の構造上仕方ないことでもあるのですが、洗車や雨の日などに水が溜まるということはヘッドライト周辺の部品に異常がある可能性もありますので、1つずつ確認していきましょう。
想定された温度差での曇り
通常、ヘッドライトは外気温の差などで結露が発生することを前提に作られています。
そして、少しの曇りや少しの水滴などはすぐに解消されるようヘッドライトユニットには通気口が設けられていて、通常は水が沢山溜まってしまうようなことは無いようになっています。
ただ、日本は雨が多く湿度が高い国なので、日本製の車は特にこの結露に対して強い構造をしていることが多いのですが、海外製の車に関しては結露のことをあまり考慮していない構造のものも多いのです。
そのため、海外製の車では「持病」とも言っていいほど、ヘッドライトの結露に悩まされるオーナーさんが多いようです。
バルブに付いているパッキンの劣化
ヘッドライトは電球が付いたバルブというパーツを後ろから差し込んで固定しているのですが、そのバルブの根元にパッキンが付いています。
通常は、このパッキンのおかげで外気がライト内に入りにくくなっているのですが、パッキンが劣化することで隙間があき、湿度の高い外気がライトの中に入り込んでしまうことがあります。
そうなると、湿気の多い外気がライトの中で冷やされ、大量の水滴となって溜まってしまうのです。
ヘッドライトには排水の機能は無いため、このように大量の水滴や水として溜まってしまうと、もうどうにもできません。
ヘッドライトユニット周辺のコーキングの劣化
新車で買ったばかりの車には起こりにくいですが、「一度ライトの修理をした」「ライトを交換した」「十年以上今の車に乗っている」という場合は、コーキングが劣化してしまっているかもしれません。
コーキングとは、ヘッドライトユニットを車体に取り付ける際にぴったりと付くようにシリコンなどで隙間を埋めることです。
このコーキングが劣化したり十分にコーキング剤が施されていないと、隙間から外気が入ってしまう場合があり、もっと酷いと洗車の際の水や雨などが入ってしまうこともあります。
ヘッドライトユニットの部品が破損している
ヘッドライトのカバーや内部の部品に、ひび割れや欠けたところはありませんか?
ほんの少しのひび割れでも、外気の侵入口になって水滴が発生する原因になってしまうことがあります。
また、部品が割れたり破損しているのをそのまま放置してしまうと、そこから錆や腐食が起こる可能性もあるので、早めの対応が必要です。
ヘッドライトが曇ってしまった時の対処法
ヘッドライトが曇ったり、水滴がついてしまった時の対処法は以下の通りです。
- 定期的にライトを点灯させて走行する
- ドライヤーなどで送風する
- 乾燥剤を入れる
- ヘッドライトを殻割りして水を出す
- 修理に出す、ヘッドライト全体を交換する
自宅で簡単にできる一時的な曇り解消法もありますので、ぜひ実践してみてください。
それでは一つずつ解説していきます。
定期的にライトを点灯させて走行する
ある程度までの想定された曇りや水滴の場合は、しばらくライトを点灯させて走行するだけで解消する場合が多いです。
ヘッドライト内で湿気の多い空気が冷やされて結露が起こってしまっているので、その結露した水分をライトの熱で再び気化させて通気口から排出させてしまう方法です。
普段からヘッドライトをある程度の時間点灯させて走行していると、水滴が集まって水が溜まってしまうような事態を防ぐことができます。
ドライヤーなどで送風する
車の近くで電源が確保できるなら、これが一番手っ取り早く曇りを解消できる方法です。
天気の良い日にボンネットを開け、ヘッドライトのバルブを外し、そこへドライヤーの温風を送るだけです。
10分程度送風すればライト内の曇りが解消されるので、冷風でライト内の温度を下げてからバルブを戻して完了です。
この時、冷風を当てずにバルブを閉めてしまうと、外気温との差でまた結露してしまうので注意が必要です。
乾燥剤を入れる
上記で紹介したドライヤーでの曇り解消法ですが、車の近くで電源を確保できる場所が無い場合には、こちらの方法がおすすめです。
先ほどと同じように、ボンネットを開けてヘッドライトバルブを外したら、乾燥剤をバルブ穴の近くに設置します。
乾燥剤はシリカゲルが袋に入っている物のような、市販のもので問題ありません。
乾燥剤を置いたらボンネットを閉めて一晩そのまま放置し、翌朝にはかなり曇りが解消されています。
https://twitter.com/atta_fukuyama/status/1400074722113511424?s=21
ヘッドライトを取り外して水を出す
もし車についてある程度知識があって、ヘッドライトの取り外しが自力でできるという方は、ヘッドライトを取り外して、溜まってしまった水を出す方法もあります。
ネジやピン、コンピューターの接続部分などを外して、ヘッドライトユニットを車から外し、バルブを外した状態でバルブの穴から水を抜き、乾燥させてから車体へ付け直します。
ヘッドライト自体を取り外すのが難しい場合は、バルブ穴からティッシュなどをコヨリ状にしたものを差し込んで、溜まった水を吸い上げても良いでしょう。
この際、ライト内にティッシュが強く擦れると傷がついてしまうこともあるので十分注意して行いましょう。
ヘッドライト全体を交換する
パーツの破損がある場合や、曇り程度ではなく水が沢山溜まってしまっているという場合は、ヘッドライトユニットごと交換しなければならない状態かもしれません。
ヘッドライトユニットごと交換となってしまった場合は、少々値段が高くなりますができる限り純正パーツで交換をすると、車体との相性や耐久性も良く安心ですよ。
ヘッドライトが曇らないようにする方法とは
ヘッドライトが曇らないようにするには、以下のような方法があります。
- 自力でパッキンの交換やコーキングのやり直しをする
- 車検などのタイミングで修理に出す
- バルブをLEDに交換する
あまりにもヘッドライトが曇りやすかったり水滴がついてしまう場合は、パーツの取り換えや修理が必要になってくることが多いので、詳しく解説します。
自力でパッキンの交換やコーキングのやり直しをする
コーキングが劣化していて自分でコーキングをやり直したいという場合は、車用品の専門店などに行けば、車用のコーキング剤は簡単に手に入ります。
しかし、ネジやピン、コンピューターの接続部分などを破損しないよう慎重に外して、ヘッドライトユニットを車から外し、ドライヤーなどで熱を加えながら殻割りをし、コーキングをやり直してから戻す…。
ある程度車についての知識がある方は自力で行っても良いですが、非常に手間もかかり失敗する可能性もあるためあまりお勧めできません。
バルブのパッキンの交換については、バルブを外すことができれば比較的簡単にできますが、バルブとパッキンのサイズや形が合わないこともあるため、バルブごと交換してしまう方が確実です。
https://twitter.com/ma_3_4_3/status/1414723848486801412?s=21
点検・修理に出す
ヘッドライトの曇りやすさが気になる場合は、プロに点検・修理してもらう方が、やはり確実です。
定期的に点検をしてもらえば、取り返しがつかないほど水溜まる前に問題がある所を発見して部分修理や小さいパーツの取り換えだけで済む場合もあります。
また、コーキングのやり直しなども、自力でやろうとしてパーツを壊してしまったり外したはいいが戻せなくなってしまったりすると、最初から修理に出すより高くついてしまう可能性があります。
ヘッドライトを業者に殻割り・殻閉じしてもらう際の工賃は3万円~で、そこにパーツ交換やコーキングの料金が別途かかります。
少々高額に感じるかもしれませんが、ヘッドライトの曇りや水が溜まるなどの悩みをすっきり解決できると考えると、損は無いと思います。
バルブをLEDに交換する
ヘッドライトに使用されるバルブには大きく分けて3種類のライトが使用されています。
「低価格だが明るさが控えめなハロゲンバルブ」「とても明るいが取り付けが難しいHIDバルブ」「HIDほど明るくないが省エネなLEDバルブ」の3つです。
この3つのうち、一番熱を発しにくいのはLEDで、今LED以外を使用していて結露が気になる方はLEDバルブへの交換がおすすめです。
配線についてもハロゲンバルブとほぼ同じで、取り付けも比較的簡単なので安心です。
ヘッドライトの曇りと一緒に対策したいレンズの黄ばみ
ヘッドライトが黄ばんできてしまう原因は、紫外線による劣化が原因です。
黄ばんでしまったヘッドライトは研磨や漂白などで黄ばみを解消できますが、黄ばみが酷い場合はパーツを交換することも考えた方が良いでしょう。
また、ヘッドライトの黄ばみを防ぐには「屋根付きの車庫」「保護フィルム」「紫外線防止コーティング」など、紫外線をカットすることが有効です。
ヘッドライトの黄ばみの原因
ヘッドライトの黄ばみは、紫外線やバルブの熱によるヘッドライトカバーの劣化が原因です。
紫外線を長時間浴び続けたり、内側からバルブの熱がかかってしまうと、ヘッドライトカバーの表面が劣化して黄色や茶色っぽく変色してきてしまいます。
多少の黄ばみ程度なら、見た目が気になる程度で特に支障はありませんが、劣化が激しくライトの光量が落ちてしまう場合などは車検に通らない可能性もあるので、しっかり対策をしておきましょう。
ヘッドライトが黄ばんでしまった時の対策方法
ヘッドライトが黄ばんでしまった時の除去方法は以下の通りです。
- 耐水ペーパーとコンパウンドで磨く
- カバーを外して漂白剤に漬ける
- カバーを交換する
自宅で対応できる方法もあるので、気になる場合はぜひ試してみてください。
それでは1つずつ解説していきます。
耐水ペーパーとコンパウンドで磨く
黄ばみは表面だけ磨いて取り除けば、かなり改善する場合が多いです。
用意するものは耐水ペーパー(1000,1500,2000番)と車用コンパウンド(研磨剤)、マスキングテープ、布やスポンジです。
まず、車体が傷つかないようにヘッドライトの周囲をマスキングテープでカバーします。
次に、耐水ペーパーの目の粗い方から順番に使用してヘッドライト全体を黄ばみが取れるまで研磨します。
最後に、布やスポンジなどにコンパウンドを付けて磨いていきます。
コンパウンドまで使用することで、元通りのツルっとした表面に磨き上げることができるので、耐水ペーパーのあとは必ずカバーの透明感が出るまでコンパウンドで磨きましょう。
また、業者に磨いてもらう場合は黄ばみの程度にもよりますが、工賃は5千円~2万円程度で、比較的安く済むこともあるので一度業者に相談してみても良いでしょう。
カバーを外して漂白剤に漬ける
自力でヘッドライトを外して殻割りができるという場合は、塩素系漂白剤を水で薄めたものにカバーを付けおきすると、すっきり黄ばみが取れますよ。
塩素系漂白剤は、衣類を漬けおき洗いするときと同じ割合で薄めて、20分程度漬けおきします。
黄ばみが取れたら結露の原因にならないように、カバーを完全に乾燥させてから殻閉じしましょう。
カバーを交換する
あまりにもカバーの外側、内側ともに変色が激しい場合は、カバーのパーツ交換やヘッドライトユニットごと交換することをおすすめします。
黄ばみが進むとヘッドライトの光量が落ちるため、夜間の運転に支障が出たり、車検が通らない可能性もあります。
安全な運転のためにも、酷い黄ばみの場合はカバーを交換してしまいましょう。
ヘッドライトが黄ばまないようにするには
ヘッドライトの黄ばみを防ぐ方法は以下の通りです。
- 屋根付きの車庫に駐車する
- 保護フィルムを貼る
- 紫外線防止コーティング加工をする
紫外線を防ぐことで、ある程度ヘッドライトの黄ばみを防ぐことができるので、対策を紹介します。
屋根付きの車庫に駐車する
日中に駐車する場所を日の当たらない場所にすることで、ヘッドライトの黄ばみを予防することができます。
自宅に屋根付きのガレージや屋内駐車場があれば一番良いのですが、自宅にも職場などにも屋根付きの駐車場が無い場合もありますよね。
そんなときは、市販のボンネットカバーなどを使用すると、ヘッドライトの部分だけでも日光を遮ることができますよ。
保護フィルムを貼る
紫外線を通さないプロテクションフィルムを貼ると、手軽に黄ばみ防止をすることができます。
ヘッドライト用のフィルムはカラー付きやスモークのものなど色々な種類がありますが、紫外線保護用に購入するなら、無色でフィルムが厚めの「紫外線カット」と明記されているものがおすすめです。
紫外線防止コーティング加工をする
フィルムと同じ効果ですが、フィルムを貼ると見た目が変わってしまうのが嫌だという方は、紫外線防止のコーティング剤を使用すると良いでしょう。
液状のコーティング剤を布などで塗布するタイプや、ウエットシートタイプのものなどがあり、市販で2千円前後で購入できるので、手軽に対策できて嬉しいですね。