JR東日本が終電の時間を、2021年春に繰り上げる発表をしました。
主に東京100km圏内とされていていますが、乗り継ぎのある各私鉄など、他の鉄道においても繰り上げの検討がなされています。
JR西日本では以前より繰上げの方針が発表されており、全国的にもこの動きが拡がる気配を見せています。
JR東日本では、具体的な実施日と詳細時刻は、12月に告知ということですが、概ね15分〜30分程度の繰り上げとなるようです。
自身の帰宅路線を変更すべきかの検討が、必要になるかもしれません。
終電繰り上げで働き方や時間の使い方が大きく変わります。
仕事の残業時間や飲食店の営業時間、飲み会終了のタイミングなどは、終電の時間に合わせて変えなければならないからです。
例えば、飲食店においては、従業員の帰宅時間などを考えると、閉店時間を早めるべきか、悩ましいところでしょう。
今までの常識に囚われない考え方や、アイデアが必要になるかもしれません。
コロナ禍で、夜遅くの利用客が激減してる現状を踏まえると、終電繰り上げには、肯定の意見が多いと感じます。
では、もう少し詳しく説明します。
終電繰り上げとなった背景とは
社会のインフラである鉄道は、沢山の人々を朝から晩まで運んでいます。
特に都心においての充実度が高く、人々の大切な移動手段のひとつです。
では、終電繰り上げに至った背景とは何でしょうか。
新型コロナウイルス拡大が契機
鉄道利用の減少は、人口減少に伴い起こりえることです。
このことは、まだ先の想定として、以前から考えられてきました。
しかし、新型コロナウイルス拡大が契機となり、企業のテレワークの普及や、
深夜までの飲酒を控える、などといった、人々の行動様式に変化が訪れました。
収束後も環境の変化は、完全には元に戻らないと想定されています。
利用客の減少による大幅な赤字と、終電付近の乗客数の減少が影響しているのです。
鉄道工事における働き方改革の実現
首都圏では、現在、終電が終着駅についてから始発までの、約200分〜240分程度を、レールや架線などの保守・点検に当てています。
安全を確保するために、必要な保守・点検作業ですが、夜間から未明にかけての、昼夜逆転の仕事は敬遠されがちで、人手不足は否めないのが現状です。
線路の保守作業員は減少傾向にあり、今後も減少するものと予想されています。
そのため、大型機械を本格導入することにより、作業員の負担を軽減する狙いがあります。
大型機械の場合、人力による作業に比べ、準備に撤収に時間がかかります。
実作業時間の確保が必要なのです。
終電の影響を受ける業界メリットか、それともデメリットか?
終電繰り上げについては、賛否両論ですが、実際にどのようなメリット・デメリットがあると、考えられているのでしょうか。
新聞やビジネスニュースなどによると、サラリーマンからは以下のような意見が出ています。
メリット側の意見としては、
- 終電に合わせて、帰宅するため、残業が減る。
- 飲み会を早く切り上げられる。
以上のような、働き方改革や、自分の時間の確保への利点があげられています。
一方で、
- 仕事が終わらず、泊まり込むことになる。
- 接待で終電に間に合わず、会社からも交通費が出ない。
といった、不安の声も上がっているようです。
また、タクシー業界では、終電を逃した人々が、タクシーで帰宅することにより、利用客増の期待が高まっています。
ビジネスホテルやネットカフェなども、終電繰り上げによる利用客増に、期待しているところでしょう。
しかし、飲食業界は、コロナ禍で売り上げ減の状態に、さらに追い討ちをかけることになるかもしれません。
従業員の帰宅時間も考慮して、閉店時間を繰り上げることも、検討しなければなりません。
また、二次会・三次会で利用されてきたお店への影響は免れないと考えられます。
各業界、メリット・デメリットが考えられますが、生き残りの為には、新たなサービスを検討するなど、柔軟な対応が必要でしょう。
まとめ
コロナ禍の中、人々の生活様式は変化しています。
終電の繰り上げもそのひとつと考えられます。
終電が変わったら、その時間に自身の生活をどう合わせるのか。
いままでの、概念に囚われず、新しい環境の中で、いかによりよく生活していけるかと、考えることが必要だと感じます。
終電繰り上がりで、早く帰宅ができるのなら、地元のお店を開拓してみるのも、新し発見があっていいかもしれません。
家に早く帰って、家族の時間を作るのも、家族のあり方を再発見するきっかけになるかもしれません。
何かが起こったとき、デメリットばかりをネガティブに考えるのではなく、デメリットをどう受け止め、どう前向きに対応していくかが大切ではないでしょうか。