ポカリスエットの成分から考える。糖分(砂糖)が多い理由とは
コロナ禍の中、ようやくスポーツをする日常が戻ってきました。スポーツといえば、水分補給が不可欠ですね。
スポーツドリンクは水分補給に適しているといわれますが、とても甘くで美味しいです。
では、その甘さである糖分(砂糖)が多い理由はなんでしょうか。
それは、炭水化物(糖質)を多く含むものが、エネルギー補給に適しているからです。
炭水化物は、糖質と食物繊維をまとめた呼び方ですが、この糖質に砂糖が含まれます。
では、ポカリスエットの栄養成分をみてみましょう。
(100mlあたりの栄養成分)
エネルギー 25kcal
タンパク質 0g
脂質 0g
炭水化物 (糖質)6.2g
食塩相当量 0.12g
カリウム 20mg
カルシウム 2mg
マグネシウム 0.6mg
500mlのペットボトルだと、糖質である炭水化物は31gとなります。
5gのスティックシュガー6本分位と考えると、砂糖が多いと思うのも納得です。
もう少し詳しく説明していきます。
体の水分が不足するとどうなるか。水分補給の重要性!
人間の体重の約60%は水分(体液)で占めています。
運動などで大量の汗をかいて、体から水分が失われると以下のような様々な影響がでてきます。
1%減
喉の渇きを感じます。
2%減
強い渇きとめまい、吐き気、ぼんやりするなどの
脱水症の症状が現れます。
3%減
汗が出なくなり、身体の動きに影響が出ます。
5%減
10%減以上
筋肉の痙攣や循環不全などが起こり、死にいたる可能性があります。
これらの事から体重が発汗により2%〜3%以上減らないように、水分補給を心がけましょう。
人間の体内において、水は大切な働きをしています。
体の細胞の維持・再生や、栄養素の運搬、体温調節など、様々な役割を担っているのです。
水分補給の目的によって、成分の役割を知って、飲料を選ぶことが大切です。
スポーツドリンクの上手な使い分け方
スポーツドリンクで、「アイソトニック飲料」や「ハイポトニック飲料」という言葉を、よく耳にしますが、あなたは違いを知っていますか?
アイソトニック飲料は、人間の体液の浸透圧とほぼ等しい飲料のことで、ハイポトニック飲料は、人間の体液より浸透圧が低い飲料のことをいいます。
身体は一定の浸透圧に保たれてますが、大量の汗をかいたりした場合には、浸透圧のバランスが崩れます。
浸透圧とは、水を補給した場合、二つの濃度が違う水が同じ濃度になろうとする力のことです。
アイソトニック飲料
浸透圧が体液と同じなので、水分が体に吸収されるまで時間がかかります。
ポカリスエットなどの一般的なスポーツドリンクがこれにあたります。
エネルギー補給となる炭水化物(糖質)を多く含んだ水分は、運動選手が体を動かす前に飲む飲料として、推奨されており、よいパフォーマンスにつながります。
ハイポトニック飲料
浸透圧が低いため、水分が早く吸収されるという特性があります。
塩分や糖質の濃度が低めで、経口補水液に比較的近いといえるでしょう。
運動による発汗で体液が薄くなっている時は、素早く吸収されるので、運動中や運動直後に飲む飲料として適しています。
アイソトニック飲料とハイポトニック飲料は、成分が違うため、効果も違います。
プロスポーツ選手などは、よいパフォーマンスを求められる職業です。
栄養士などのアドバイスを受け、スポーツドリンクを上手に使い分けているのです。
まとめ
ポカリスエットは、ひとりの研究員の「点滴を飲み物にできないか」、という発想から生まれた商品だそうです。
そこから、発汗によって失われた成分である水と電解質を、手軽に補給できる飲み物として開発、商品化されました。
ポカリスエットは甘く感じますが、失われたエネルギーの補給のために、必要な炭水化物(糖質)が含まれているからです。
1時間以上の運動をする場合、4〜8%程度の糖質を含んだ水分補給が効果的といわれています。
いつ、何を飲むのかが、大切です。
水を飲むのか、お茶を飲むのか。
アイソトニック飲料なのか、ハイポトニック飲料なのか。
体の状態に合わせ、適切なタイミングと内容選択をして身体に潤いを与えましょう。