2019年の日本平均寿命は、男性81.41歳、女性が87.45歳となりました。
高齢化は、日本での深刻な社会現象のひとつです。
高齢になると様々な体の不調が発生し、病院へ行く頻度が上がります。また、持病持ちの人も増加傾向です。
それにより、75歳以上の後期高齢者の医療費が、年々増加しているのが現状です。
保険制度の改革以外で、どのような対策が必要なのでしょうか。
以下があげられます。
健康寿命を伸ばす
病気にならない体づくりは、健康寿命を伸ばすために必要です。食事・運動・睡眠といった基本的な生活を見直しましょう。
喫煙習慣を改善したり、予防接種を受けたりすることことは、健康な体づくりに必要なことと考えられます。
健康診断の推進
健康診断を受けることは、働き盛りである時期からの、生活習慣病対策の推進を図ると共に、病気の早期発見・早期治療につながり、医療費や人件費の削減になります。
ジェネリック医薬品(後発医薬品)の活用
ジェネリック医薬品を、積極的に使用することにより、患者の自己負担を軽減したり、医療の質を落とさず、医療費の削減をすることができたりします。
重複受診や時間外・休日受診を控える
重複受診は、初診のたびに、初診料や検査料が負担となります。また、時間外・休日受診は、時間外加算を求められますので、本当に必要性があるのか、考えなければなリません。
では、もう少し詳しく説明します。
社会保障の財源の現状とは?
社会保障は、年金・医療・介護・福祉その他(子ども・子育て)に、分類されており、国の一般会計歳出の約1/3を占めています。
その給付費は、2017年度で120.4兆円です。
- 1990年は47.4兆円
- 2000年が78.4兆円
- 2010年が105.4兆円
と、年々大きく歳出が伸びていることがわかります。
その財源は、保険料・公費・資産収入等からの負担です。
社会保障制度の基本は、保険料による支え合いですが、現役世代の保険料負担だけでは難しいので、税金や借金の充当に頼らざるを得ません。
借金による負担の問題を先送りにしていることも、課題のひとつです。
今後、少子化によって保険料によるの財源が減少し、高齢化による医療費などの歳出が増加すると、ますます、社会保障のバランスが崩れます。
そこで、早急な対策が必要とされているのです。
2025年問題〜今後の課題〜
高齢化について考える時に、話題となるのが2025年問題です。
2025年問題とは、「団塊の世代」が75歳を迎える2025年に、国民の約3割が65歳以上という「超高齢化社会」に突入することで起きるとされている問題の総称です。
課題としては、以下があげられます。
少子高齢化による労働力不足
業種によって、人員の減少は様々ですが、ほぼ全ての業種で人員不足が想定されています。
特に介護業界においては、介護が必要な高齢者が増加し続け、より深刻な人手不足となるでしょう。
そのため、短時間労働や、単純作業などの働き方を提供することで、シニア・シルバー層の雇用拡大も注目されると思われます。
また、業務をより少ない人数で行える工夫として、企業のITを活用した体制づくりは急務といえるでしょう
医療・介護の体制整備
政府は2025年を目処に、地域包括ケアシステムの構築を目指しています。
地域包括ケアシステムとは、高齢者の地域での生活を、地域住民・介護事業者・医療機関・ボランティアなどが一丸となって支える仕組みです。
高齢化の進み方は地域によって差があるため、各地域が特性を生かしたケアシステムを作り上げることが、必要とされています。
可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように、地域ごとのニーズに応じた計画や整備が求められているのです。
まとめ
高齢化による問題は、様々な分野への影響が懸念されます。
では、この高齢化社会を生き抜くために、自身で取り組めることは何でしょうか。
それは、できる限り健康でいることでしょう。
高齢となると、体の不調だけでなく、認知症のリスクも上がります。
自身の健康への意識向上を目指しましょう。
アメリカでは、「ライフスタイル医学」という分野があり、健康寿命を伸ばし、病気や障害を最小限にし、生活の質をあげることを目的に掲げています。
病気の治療ではなく、予防に重点をおく医療です
日本でも、予防医療の取り組みが始まっています
健康的な食事、適度な運動、ストレスの緩和、睡眠の質向上、生活環境の改善などを、一人ひとりが自身の問題として取り組むことが、高齢化社会を乗り切ることにつながるのではないでしょうか。