3歳児のこだわりが強いのは当たり前!疲れず付き合う方法とは?
3歳頃に迎えるといわれている反抗期…
2歳のときのイヤイヤ期とは違い、言葉も達者になっていて、自分の主張をハッキリと伝えるようになります。
一番大切で、最も有効な対策は、ズバリ「こだわりを受け入れること」です。
洋服や下着などの身に付けるものや、食べ物のメーカー、テレビのチャンネル…。
「これじゃなきゃダメなの!!」と毎回いわれると参ってしまいますよね。
ぐったりせずに、ストレスなく、我が子のこだわりと付き合う方法をお伝えします!
こだわりが強い子は、それだけ自分の好き嫌いを持っているということです。
その表現方法がちょっと激しすぎるかもしれませんが、自己主張できているというのは、立派な成です。
「この靴が履きたい!」
「ご飯の時間は絶対フォークで食べたい!」
「朝は絶対この番組を見たい!」
など色々なこだわりがあると思います。
そのこだわりに危険性がないのなら、今だけと割り切って受け入れてしまいましょう!
ほとんどの場合、一時的なもので、本人が納得したら元に戻ります。
我が家の場合、長男が3歳の頃に下着に関してのこだわりがありました。
「トイレの後は必ずパンツを着替える」というこだわりです。
一日何回もトイレに行きますが、言葉通り、その度に必ずパンツを着替えていました。
トイレトレーニング中ということもあり、通常よりもずっと多くトイレに行っていました。
一日にとんでもない枚数を洗濯していましたが、それも今となってはいい思い出です。
何がきっかけになったかは分かりませんが、いつのまにかそのこだわりはなくなっていました。
「好き嫌いがハッキリしてきたね!成長だね!」と、大きな心で受け止めることは困難かもしれません。
「そうなんだ、ふーん」くらいの軽い気持ちで受け止めましょう。
それでも、「雨が降っても公園から帰らない」「お友だちのおもちゃを取ってしまう」など、見過ごせないこだわりや問題のある行動が起きた場合。
親としては、叱ることは避けて通れませんよね。
そうなると、きっと子どもはかんしゃくを起こし、手がつけられなくなるでしょう。
そここで必要なのが、大人の動じない態度です。
大泣き、かんしゃくに心が折れてしまい、「いい加減にして!」と怒ったり、「今日だけいいよ」と、その時で対応を変えてしまうことは避けます。
子どもは、それを成功体験として記憶してしまうからです。
「泣けばいいんだ!大声を出せば願いが叶うんだ!」と、勘違いをしてしまいます。
この状況を、療育の言葉で「誤学習」といいます。
大人である私たちが、子どもの様子によって対応を変えてしまうことは、誤学習につながるので絶対にNGです。
強いこだわりから、かんしゃくを起こして大泣きされると、親としても感情が揺さぶられてしまいがちですが、ダメなものはダメ、ということはブレないようにしましょう。
上手に無視する方法 アクションプランを持とう
もしお子さんが、強いこだわりから切り替えができずにかんしゃくを起こしたら、親である私たちは動じずに「無視」することが有効です。
無視というと、冷たいように感じますが、そうではありません。
ここでいう無視とは、問題となっている行動には触れずに、してほしい行動を冷静に伝えることです。
療育では、この「無視」が非常に重要な対応とされています。
例を出して説明します。
「お菓子食べたい!」
「もうすぐご飯だからダメだよ」
「食べたいの!ちょうだい!」
「ダメだよ、もうご飯だから」
「ヤダヤダ!食べたい!くれないと嫌だ!」
「もう!いい加減にしなさい!いつもいつもあなたはそうやって…」
上記のやりとりは、どこのご家庭でも有りうる一般的なものですよね。
これでは、問題となる行動=お菓子を食べたい、というこだわりに注目しすぎていて、無視できていません。
次のようなやりとりを心がけましょう。
「お菓子食べたい!」
「もうすぐご飯だからダメだよ」
「食べたいの!ちょうだい!」
「さあ、ご飯になるから手を洗ってきてね」
ここでは、してほしい行動=手を洗うにフォーカスを当てた会話をしています。
お菓子が食べたいというこだわりには注目せずに、上手に無視ができていますね。
このように、してほしい行動に注目しつつ、問題となる行動や言葉は無視をすることがポイントです。
でも、無視をするからといって、全てがうまくいく訳ではありません。
例えば「公園から帰りたくない!」と駄々をこねることがあるでしょう。
無視を続けて「手を繋いで歩こう」と声をかけても、うまくいかないことだって考えられます。
そんなときに、ママたちの強い味方になってくれるのが「アクションプラン」の存在です。
アクションプランを持っている親は、こだわりやかんしゃくにも大きなストレスを感じることなく、上手に無視をすることができます。
「帰りたくない!」とかんしゃくを起こしている場面を想像してください。
その時、どんな声をかけても無駄だなと感じたなら、アクションプランの出番です。
かんしゃくから目を背けて、全く別のことを考えて、時が過ぎるのを待ちましょう!
「今日は夕飯、何がいいかな?」とか「明日って天気はどうかな」など、全く関係のないことを考えるのです。
そうすることで、自分自身の気持ちを落ち着けることができ、冷静にかんしゃくが終わるのを待つことができます。
しかし、目の前で子どもが大泣きしているときに、いきなり思考を変えるのは困難です。
そこでこの「アクションプラン」を前もって用意しておくことが有効なのです!
「かんしゃくが起きたら、これを考えよう!」
とアクションプランを2つ程度決めておくと、意外とスムーズに思考を変えることができ、嵐が過ぎるのを待つことができます。
日頃からアクションプランを考えておくことがオススメです。
上手な無視にもつながります。
そもそもなぜそんなにこだわるの?
3歳頃になると、急にこだわりが出る原因は、子どもの世界が広がっていくことにあると言われています。
今まで過ごしていた狭い世界から、外の世界へどんどん広がって行くこの時期。
興味関心が膨らむ一方で、自分の知っている世界や安心できるものに囲まれていたいと思う時期です。
自分なりに物事の良し悪しを選別している3歳頃の子ども。
ぐっと社会性が育つ時期でもあります。
こだわりが出てくるのは、順調な成長の証拠ですので、安心して向き合ってください。
こだわりとは少し違うような
些細なことがすごく気になる、そんなお子さんは
HSC(ハイリーセンシティブチャイルド)の可能性もあります
その場合、少し接し方にも注意していきたいのでそちらも説明していきますね。
知っておこう、HSCのこと。
HSCとは、ハイリーセンシティブチャイルドのこと。
感受性が豊かで、人の気持ちをよく読み取ることができる一方で、刺激や環境の変化にとても敏感な子どものことをいいます。
「ちょっと育てにくいな。」
「こだわりなのか、わがままなのか分からないけれど、なんだか泣いたり怒ったりすることが多い子だな。」
保護者がこのような困難を感じている場合、それはこだわりでもわがままでもなく、HSCの可能性があります。
今の日本には、5人にひとりの割合でHSCが存在するといわれています。
例えば、下着のタグが気になったり、靴の中の砂が痛く感じたり、泣いている友だちを見ると、自分のことのように受け取ってしまったり…。
後ほどお話しする、発達障害と言われる子どもが、相手の気持ちを考えることが苦手なのに対して、HSCは敏感すぎるほど気がつくのが特徴です。
HSCは、障害や病気ではないため、医学的に診断されることはありません。
そのため、多くの場合で「普通の子」として生活を強いられています。
「我慢ができないなんて!」
「どうしてこんなにわがままなの!」
と様々な場面で指摘を受けることもあります。
無理強いさせてしまい、パニックになったり、大人を信じられない子どもになってしまう恐れもあります。
そうなってしまっては、2次障害を生み出すことになりかねません。
我が子が育てにくいなと感じたり、敏感な子だなと思ったら、HSCである可能性を考えてみましょう。
今、HSCやHSP(ハイセンシティブパーソンHSCの大人版です)に関する本やセルフチェックシートなど情報が多く手に入るようになりました。
ネット上で簡単にチェックできるものもあります。
一度試してみてはいかがでしょう?
HSCの子育てで必要なことは、その特性を受け入れ困難を取り除くことです。
例えば、騒がしい音が苦手な子どもの場合。
テレビの音量を小さくしたり、必要以上に大きな声で話しかけない、など対処法があります。
好きな音があるなら、疲れた時にすぐにその音を聞くことができる環境にするのもいいですね。
大人が環境を整えてあげることで、HSCは安心できるスペースがあることを知り、心を休めることができます。
「慣れるから大丈夫」と無理強いすることは、絶対に避けてください。
慣れることもありますが、それよりも困難さは取り除く方が何倍も、何十倍も正しい方法なのです。
考えたくないけど、もしかして障害なのかもしれない…と思ったときは
HSCの特性がより強く現れ、そのせいで、日常生活に支障をきたしている場合、発達障害である可能性があります。
発達障害児に見られる強すぎるこだわりは、以下のようなエピソードが挙げられます。
- 1番にこだわりすぎて、公園や保育園などで1番になれない時、パニックになり自傷他害行動がある。
- 興味の幅が極端に狭く、言葉の成長にも影響している。
- 特定のメーカーの、特定の食品しか口にせず、パッケージがリニューアルしただけで、パニックを起こす。
上記のような強いこだわりは、日常生活に大きな影響をもたらすだけでなく、その後の発達にも支障をきたす恐れがあります。
「個性」というだけでは片付けられない範囲ですよね。
そうなると考えられるのが、自閉症やアスペルガー、ADHDといった発達障害です。
「うちの子、発達障害かも…」と思ったら、まずは保育園や幼稚園、幼児教室などお子さんを見てくれている第3者に相談してみることをオススメします。
家庭では見せない面を知ることは、大きな意味があります。
もし、「実は気になる点がある」と保育士などから言われることがあれば、その情報をまとめて次に、医療機関を受診しましょう。
「発達障害の可能性があります」と診断できるのは、医師のみです。
医療機関が介入することで、その後の支援やサポートに繋がりやすくなるので、医療はマストと言えます。
医師や心理士との面談を経て、療育へとステップを進めていきます。
ここで注意していただきたいのが、療育=障害というわけではありません。
療育を受けるには、確かに医師の診断が必要なことがありますが、療育を受けるすべての子どもが障害を持っているこということはありません。
集団生活が苦手、じっとしているのが苦手、お母さんと離れて活動するのが苦手、など様々な困り感を持ったお子さんが通っています。
ハードルが高いように感じますが、決してそんなことはないので安心して療育を始めるといいでしょう。
療育って?3歳から通うメリットとは?
では、その療育はどんなものでしょうか。
療育とは、言語・運動・社会性など様々な面から専門的なプログラムに基づいて、トレーニングを行うことです。
今現在の困り感はもちろんのこと、今後集団生活を送る上で課題となってくるであろう部分もサポートしてくれる、とても心強い存在です。
- 親子で一緒に受ける「母子通所」
- 子どもだけで受ける「母子分離」
- 保育園のように集団生活を送りながら受ける「保育型」
など、目的や困り感によって選ぶことができます。
幼稚園や保育園に通いながら、療育施設を利用することもあります。
「早期療育」は、大きなメリットがあると言われています。
療育を検討しているお子さんの場合、何かしら生活する上で困難に感じていることがあるはずです。
順番を守れないで怒られたり、集団行動が苦手だったり、かんしゃく、こだわりからスムーズな生活が送れていなかったり…。
通常の成長過程よりも、叱られたり注意される回数が多いことは容易に想像できますよね。
そんな状況で心配なのが、「二次障害」です。
できないことや苦手なことを責められることで、「自分はなんてダメな人間なんだ」と思うようになり、自己肯定感が崩れ、反社会的な行動へと結びついてしまう恐れがあります。
3歳頃の早期から療育を始めることで、適切なサポートを受け、ありのままで受け入れられる経験を積むことが重要です。
それこそが、早い時期から療育を開始する最大のメリットであることは間違いありません。
まとめ
強いこだわりは、成長の証。
「それはやだ!やらない!」とはっきり言葉で伝えられるようになった姿に、「大きくなったなあ」としみじみ。
一方で、「またか…」とぐったりすることも少なくないでしょう。
そんな中でも、「アクションプラン」があれば、ちょっとだけ穏やかに過ごせることをお伝えしました。
それでもうまくいかない、育てづらい。
もしかしたら発達障害かも。と思うことがあれば、なるべく早く専門家へ相談しましょう。
早い時期の専門的なサポートは、お子さんだけでなくご家族の助けになってくれること間違いなしですよ。