さくらんぼの実が落ちてしまう主な原因は、生理落下という現象が理由です。
これの原因は、桜の木が「自身の体力に見合った量だけの果実だけを残すために、それ以上の量を地面に落としてしまう」という現象です。
また養分不足になっても生理落果は起こってしまいます。
どちらも対策としては、前年のうちからさくらんぼの木に体力をつけておくという事が大切です。
適切に肥料を与えて、水の量や光合成がはかどるように剪定することである程度防ぐことができますので気にかけてあげてください。
この記事では、
と言ったことを、詳しく解説しています。
さくらんぼの実が自然と落ちてしまうと言った方に、わかりやすく解説していますので、ぜひ最後まで目を通して見てください。
不適切な対応で、今年の実はおろか来年の実にまで影響が起こってしまう事がありますので、しっかりと対応してあげましょうね。
さくらんぼの実が落ちる原因とは?
さくらんぼの実が落ちてしまうのは生理落果という現象が理由です。
生理落果とは、さくらの木が自身の体力に見合った量の果実だけを残して、それ以上の量は地面に落としてしまう現象です。
とくに樹勢の強いさくらんぼの木は、生理落果で落としてしまう果実の量が多いと言われているので、余計に「さくらんぼは実がならずに落ちてしまう」と感じる人が多いのでしょう。
この理由による生理落果がいちばんの原因ではありますが、それとは別で養分不足による生理落果というものがあります。
さくらんぼの木が栄養不足だと判断することで、樹木そのものの存続を優先させるために果実へ栄養を送ることをやめ、実を落としてしまうと言われています。
最初にお伝えした生理落果と似ていますが、先述の方は栄養が十分にいきわたっている状態であるうえで、さくらんぼの木自身の体力に見合った量だけを残す現象なので少し意味が異なってきます。
栄養不足になるのは、雨や曇りの日がつづくなど晴れ間があまりないことで光合成が活発に行えないときです。
さらに、さくらんぼは同じ樹木や同じ品種では受粉することができません。
これは「自家不和合性」という性質によるもので、受粉させて果実にさせる場合には別の品種のさくらんぼの木を植える必要があるのです!
「ステラ」「暖地サクランボ」という品種だけは同じ木の花粉で受粉することが可能ですが、それ以外の品種だともう1種類のさくらんぼの木から花粉をもらい、受粉させる必要があります。
また品種の掛け合わせにも相性があり、そのあたりも考えたうえで植えないと果実のつきかたが悪くなってしまうと言われています。
主にオススメの掛け合わせは下記のとおりです。
掛け合わせに適しているさくらんぼの木同士を植えるとより実が落ちずに成熟するようになりますよ。
ただし「これだけのために植えるのはちょっと…」という方もいるかもしれませんね。
そういう場合には花粉だけを購入するという手もあります。
ホームセンターなどではあまり売られていないため、インターネットで購入するのが一番簡単です。
袋詰めされた花粉と、受粉させる際につかう棒のような道具がセットで売られています。
これを使って人工的に受粉させることが可能ですので、手段として覚えておくといいですよ。
さくらんぼの実が落ちないための対策とは?
さくらんぼは実が熟すまでの期間が比較的短い部類にふくまれます。
そのため、実をつける頃に手を加えるというよりも、昨年のうちからさくらんぼの木に体力をつけておくことが大切です。
例えば、昨年の秋のうちから紅葉が進むように養分をしっかりと与えることで冬を越しても体力が残っており、さくらんぼを実らせる力を蓄えておくことができます。
また、水を適量与えておくことも重要です。
さらに剪定も大切な作業になります。
剪定は伸びすぎた枝を整えると同時に、葉の量を減らすことでそれぞれの葉っぱに日差しがまんべんなく降り注ぐようになります。
そうしておくことで光合成がしやすくなり、栄養を蓄えることにつながるので、果実を熟れさせるために剪定は欠かせない作業になります。
さくらんぼの木の場合、枝を整えるために12~2月ごろと、新しい枝が伸び始める5~8月ごろの2回、剪定のタイミングがあります。
これらを行うことでさくらんぼの木に体力をつけさせ、また果実が実り始めたときに落果する量を抑えることができます。
また、先ほど紹介した「人工授粉」も結実させる大切な手段です。
朝からパチ /■\_・) カメラ
— セプター (@2225281) 2017年4月21日
🍒さくらんぼ人工授粉〜#楽しい時間
#庭いじり#佐藤錦+高砂 pic.twitter.com/IxdMlWFohb
今日も明日も。
— 矢萩 よしとも yahagi yoshitomo (@yyoshitomo19) 2021年4月23日
今年は徹底的に。#さくらんぼ#人工授粉 pic.twitter.com/R2FjIq81ai
近くにハチなど受粉してくれる虫がいればいいのですが、さくらんぼはただでさえ他の品種の花粉を受粉させる必要があるため、なかなか自然な受粉は難しいといわれています。
そこで確実に結実させるための手段として人工授粉があります。
棒の先端にふさふさの綿のようなものがついている、人工授粉用の棒が売られていますので、それを購入すると簡単に行えます。
綿が化学繊維でできている安価なものもありますが、天然の繊維でつくられた道具を使った方が扱いやすく、オススメですよ。
やり方はこの棒を使って、綿の部分に花粉を付着させたあと、その花粉をめしべに近づけることで受粉させるだけです。
できれば毎日受粉作業を行うことで結実率が上がっていきますが、時間がない場合などは数日に1回など極力こまめに行うようにしてください。
また、雨や風強い日に行うとせっかくつけた花粉が受粉完了する前に落ちてしまう可能性があります。
そういった理由もあって毎日行うことがベストなのですが、数日に1回の頻度でしか受粉作業ができない場合は天気のいい日や風のない日を選んで作業するようにしてください。
最後に、できれば間引きもしてみてください。
間引きは実を選別することで残った実だけにより豊富な栄養がいきわたって美味しく熟すことができるだけでなく、サイズも間引かない場合よりも大きく育ってくれます。
間引きするとしたら生理落果が落ち着いてきた頃がタイミングで、1つのまとまりで2,3粒が残る程度まで間引きしましょう。
量や質よりも数!という場合には不要な間引きですが、さくらんぼ作りに慣れてきたらぜひチャレンジしてみてください。
さくらんぼの実を上手につける育成方法とは
さくらんぼの木の一年のスケジュールはこのようになっています。
- 開花 4月ごろ
- 収穫 5~6月ごろ
- 植え付け 12~3月ごろ
- 剪定 5~8月と12~2月ごろ
まず植え替えや剪定をしたい場合は上記の時期に合わせて行うようにしてください。
さくらんぼの木は日光をよく好みます。
植え替えする場合には日当たりのよい、水はけのいい場所を選ぶことでよく育ち、よく栄養を蓄えるようになりますよ。
また先ほど紹介した剪定ですが、1年に2度行うのにはそれぞれ理由があります。
5~8月ごろは新しく伸びてきた枝を整えることが目的です。
生えている葉っぱや枝全体にまんべんなく日光が当たるようにするためです。
また、新しい枝が生えることでその成長活動にさくらんぼの木の養分が消費されてしまい、ほかの部分に栄養が行き届かなくなることも理由です。
12~2月の剪定には生えすぎた枝の量を整えることを目的としています。
どちらも日光がしっかりあたる環境に整えることが目的ですので、闇雲に量を整えたり、バランスをとるのではなく、日光のバランスを考慮しながら剪定するようにして下さい。
また開花から収穫までが、早い品種や環境だと1か月ほどしかありません。
そのため人工授粉や間引きを行う期間は限られてくると思います。
剪定などもそうですが、タイミングを逃さないようにすることが大切ですね。
これらの基本情報をふまえて、今までお伝えしたコツを実践してみて下さい。
さくらんぼを収穫できる確率がぐっと上がってくると思いますよ。
さくらんぼは鳥も好物の木の実なので、収穫まであと一歩のところを横取りされかねませんので木全体をネットで覆うことでそれを守ることができます。
せっかく実ったさくらんぼですから、きちんと害鳥対策もしておきましょう
それから、さくらんぼの実は水に弱く、収穫間近のものが水に触れてしまうと実が割れてしまうことがあります。
例えば収穫は雨の降る前の日に行うなど天候にも注意してみて下さい。
まとめ
どういうわけか、自然に実を落としてしまうさくらんぼ
生理落下と言う現象が主な原因でした。
たくさん咲いた花から実をつけるのですが、すべてを自分の体力で育てることができない為、桜の木自身が身に余る実を切り捨てていました。
これの対策として、前年からしっかりと肥料をあげる事、適切な水やり、剪定などでしっかりと光合成をできるようにしてあげることで、今よりたくさんの実を収穫することができます。
やはりおいしい分、手がかかりますよね…
ですがその手間に見合っただけ、沢山収穫することができるようになりますのでしっかりと対処するようにしましょう。