会社で通勤距離の測り方や規定がある場合には、それに従いましょう!
会社に規定がない場合には、車のメーターで実測する、グーグルマップやスマートフォンアプリのナビタイムで測定するなどの方法があります。
車を使ってメーターで実測する方法は、まず自宅を出るときに車のメーターを「0」に設定して出発します。
そして、会社に到着したときにメーターを見るとその「メーターの目盛り」が通勤距離となるわけです。
グーグルマップやナビタイムはとても簡単で、出発地を自宅に設定し、目的地を会社に設定すると最短ルートの通勤距離と通勤時間が表示されます。
グーグルマップは、実状に合ったコースの変更が簡単にでき、通勤手当の距離測定では一番便利でしょう。
以上の測定方法を紹介しましたが、グーグルマップが一番便利だと思います。
理由は、渋滞を避けたちょっとしたコースの変更などができるからです。
ルートをマウスでドラッグして、実状に合ったコースの通勤経路がカスタマイズできてとても便利です。
会社には法律上、従業員に通勤手当を支給する義務はありません。
会社が独自に就業規則などで通勤手当を規定して、初めて義務となるものなのです。
当然ながら、従業員の通勤手当の不正受給には会社の厳しいチェックが入ります。
ガバナンス(※)と適切な経費使用の観点から定期的に点検を行っている会社もあるようです。
※企業におけるガバナンスとは、「健全な企業経営を目指す、企業自身による管理体制」を指します。
万が一、不正受給がバレたときには、通勤手当の返還や懲戒処分など厳しいペナルティがあります。
会社の規定に準拠した通勤手当の受給により、リスクのない健全な通勤生活を過ごしましょう!
すこしでも多くもらえるように申請してもいいの?
通勤交通費とは、従業員が出勤に要する費用を会社が通勤手当として支給するものです。
会社の中には、まったく支給しないところ、過不足なく通勤代を支給するところ、距離に応じて支給するところなど、通勤交通費の取り扱いは会社ごと違います。
通勤交通費の支給の有無や金額は、会社が定める規則や協定によって全面的に決定することができます。
所得税や住民税などの税金を計算する際、一定の条件を満たせば通勤交通費は非課税となります。
通勤手当の非課税限度額は月額15万円が上限ですが、マイカー通勤する場合は、自宅から会社までの距離によって非課税の限度額は変わります。
通勤手当で非課税になる限度額の根拠は、国税庁のホームページの「タックスアンサーコード:2585」に記載されています。
以下、国税庁のホームページにより、具体的に通勤距離と非課税限度額の関係について、説明してまいりましょう。
マイカーなどで通勤している人の1か月当たりの
片道通勤距離の限度額
2キロメートル未満:全額課税
2キロメートル以上10キロメートル未満:4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満:7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満:12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満:18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満:24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満:28,000円
55キロメートル以上:31,600円
前述した通り、会社に通勤手当を支給しなければならないという義務はなかったですよね。
通勤手当の支給に関しては、労働基準法などの法律によって定められているわけでもありません。
それどころか従業員が自己負担すべきだとの考え方もあります。
会社が給与規定、就業規則などによって「通勤手当を支給します」というようなことを規定して、初めて通勤手当の支払い義務が生じるのです。
そのような前提ですので、会社も不正受給などに関しては、厳しくチェックしています。
通勤時の事故やケガで、申請している通勤経路と違った経路で出勤していることが会社にバレて、不正受給が発覚するケースが多いようです。
申告している通勤経路ではない経路での通勤災害に関しては、労災が認められない可能性があります。
これは、通勤災害における労災の給付対象が、合理的な経路の途上であるものに限定されているからです。
つまり、申告している経路ではない経路とは、合理的な経路と認められないことが多く、労災に認定することが困難なようです。
不正受給が判明した場合には懲戒処分などの対象になる場合があります。
すこしでも多くもらおうと考えず、虚偽の申請などしない方がよいでしょう。
不正申告がばれた場合
会社から支給される通勤手当を不正受給していると、返還を求められたり、最悪の場合には懲戒解雇になったりする可能性もあります。
通勤手当距離の意図的な誤り
たとえば通勤距離が2キロメートル未満だと通勤手当の支給がない場合に、
実際の通勤距離が2キロメートル未満に関わらず、2.2キロメートルと嘘の申告をしたとします。
これにより通勤手当を受給した場合には不正受給となり、懲戒処分を受けたり、通勤手当の支給が中止になるだけでなく、返還もあります。
通勤距離に関する不正受給については、従業員が会社の決めた方針で、通勤距離の再測定などを行うことになります。
通勤手当の不正受給で、会社が通勤手当を不正受給した元社員に対し、損害賠償をした事例もあります。
通勤手当で距離に関する虚偽の申告で多いのは次の2点です。
- 会社に届けている住所に居住しておらず、届け出よりも近い場所から実際は通勤している。
- 引っ越しをしたにも関わらず、住所変更を届け出ず、これまでの高い通勤手当を受給し続けている。
こそくな考えで、不正受給をしますと、大きなペナルティが科せられます。
従業員の不正行為によって過払いになった通勤手当は返還請求されることがあります。
民法上は不当利得返還請求権に基づいて、過去10年分の返還請求が可能だそうです。
通勤手当の本来の目的を理解し、健全な申請により、リスクのない通勤をいたしましょう。
2km未満が支払われないケースが多いのはなぜ?
2km未満の場合には、通勤手当を支給すると全額が課税されます。
これはつまり、非課税で優遇するほどの必要性がないからだと考えられています。
「2km未満だったら歩いて通えるよね!」という見解で、支給していないのが多いようです。
企業の経費削減の観点から、通勤手当は実状に合致した必要最小限との考え方があります。
2km未満の通勤手当は、全額が課税対象となり、受給する従業員自身にもあまりメリットがないからでしょうかね。
2km未満の場合に検討したい自転車の通勤について
「不動産の表示に関する公正競争規約」では、チラシなどで広告表示する場合、徒歩1分間での移動距離を80mで記載するようになっています。
チラシに「駅から徒歩2分の物件」と書いてあれば、80m×2分=160mで、駅から160m離れた物件となります。
つまり、徒歩で2kmは、2,000m÷80m=25分かかる計算になります。
25分間を毎日、通勤で歩くことは、ちょっと疲れますよね。
しかし、自転車であれば、短時間に楽に通勤できます。
国土交通省が都市内の幹線道路で自転車の巡航速度を調査したデータによりますと、成人の平均時速は時速15kmとなっています。
通勤距離2kmを時速15kmの自転車での通勤時間を計算しますと
2km÷15km=0.1333時間=約8分となります。
約8分で通勤できたら楽ですよね。
そんな自転車通勤には、メリットもありますがデメリットもありますので、最低限確認して欲しい事をまとめてみました、十分理解したうえで判断されてください。
自転車通勤のメリット
- 電車通勤から解放される。(特にコロナ禍での感染防止)
- 帰宅時間に寄り道ができる。
- 通勤にお金がかからない。
- ダイエットになる。
- 徒歩より通勤時間が短縮される。
- 重たい荷物も自転車で運搬できる。
自転車通勤のデメリット
- 天候によっては自転車利用が制限される。
- 駐輪場の確保が必要となる。
- 公共交通機関よりも通勤時間が長くかかる。
まとめ
マイカー通勤の場合の通勤距離の測り方、企業の通勤手当の考え方、不正受給した場合の処分などについてお解りになったと思います。
通勤距離の測り方は、グーグルマップが便利でしたよね。
会社の規定に基づき、あなたにマッチした方法を選んでいただいたらよいでしょう。
企業には法律上、通勤手当の支払い義務はなかったですよね。
まして、コロナ禍での経営が厳しい現状では経費削減の観点から、無駄な経費はないか、不正な経費の出費はないかと企業は神経を研ぎ澄ませています。
企業の中には不定期に、抜き打ちで定期券などの検査を行い、通勤手当の不正受給を防止しているところもあるようです。
通勤手当の不正受給はリスクが高く、発覚した場合には通勤手当の返還や懲戒処分等の大きなペナルティがありましたよね。
通勤手当の不正受給が原因で人事査定が急落したら、長い会社勤務においては、大きなマイナスとなります。
会社の規定通りの正しい通勤手当の受給により、スッキリとした気持ちで快適な通勤生活を過ごしましょう!
明日も元気に、「いってらっしゃい!」