じゃがいもって食べると喉がヒリヒリするのはなぜ!?
じゃがいもを食べて喉がヒリヒリ痛んだ場合そのヒリヒリの原因は食中毒なんです。
じゃがいもに含まれるソラニンという物質が食中毒を引き起こし、下痢や嘔吐などの症状が出ることもあります。
もしもこの記事を、ソラニンを含むじゃがいもを沢山摂取してしまった時に読んでいる場合すぐに119番に電話してみて状況を説明して見てください。
2,3切れであれば問題ありませんので、この記事をよく読みソラニンについて理解して対処法を実践して見てください
ヒリヒリする理由とは?
先ほどお伝えしたように、じゃがいもには「ソラニン」という有害成分が含まれています。
ソラニンはステロイドアルカロイド群と呼ばれる有機アルカロイドに含まれており、この成分が体内に入ることで中毒症状を起こしてしまいます。
その中毒症状の一例がヒリヒリするといったものです。
ソラニンは、じゃがいもの芽や皮が緑色に変わってしまったじゃがいもに多く含まれています。
みなさんも家庭科の授業などで「じゃがいもの芽は取るようにしましょう」と習った方がいるのではないでしょうか?
その理由が芽に含まれるソラニンを除去するためということです。
また、家庭菜園などで作ったじゃがいもは土寄せや間引きなどが上手くできていないと、スーパーなどで売られているじゃがいもに比べて生育が未熟なケースが見受けられます。
このようなじゃがいもにもソラニンが多く含まれているので注意して下さい。
ソラニンとは?
ソラニンは有害成分です。
食べてしまうと身体に一時的な影響がでてしまいますが中毒として起こる症状は下記のようなものがあります。
- 吐き気や嘔吐
- 下痢
- 腹痛や頭痛などの痛み
- めまい
- 重篤化すると呼吸困難
これらはいきなり発症するのではなく食べてからおおよそ20~30分後以降に発症するといわれています。
その前にまずは初期症状として異常が感じられます。
ソラニンが含まれているじゃがいもを食べるとおもに味覚で異常を感じる場合が多いようです。
苦味、えぐ味といった形であらわれます。
もしくは舌がピリピリと痺れるような感覚になります。
毒素があるソラニンを食べてしまった際のピリピリの対処法
まず食べたことで舌がピリピリとしてきて異変を感じたら、ソラニンが含まれているじゃがいもを口にしてしまっている可能性があります。
口の中の食べ物は飲み込まずに吐き出し、水で口の中をゆすぐようにしてください。
飲み込まない・口の中に成分を残さないことで中毒を引き起こすことを未然に防ぐことが出来ます。
もしソラニンが含まれるじゃがいもを食べ、飲み込んでしまった場合は胃の中のソラニン成分を薄めるために水や牛乳を飲んでください。
また、胃の中のものを吐くという方法もありますが吐いたときに胃液が食道を傷つけてしまう場合もあるため無理やり吐きだすといったことは避けた方が良いです。
また、無理やり吐きだすのは精神的にも体力的にも苦しいと思うので、お子さんなどは特に難しいのではないかと思います。
そしてソラニンを含んだじゃがいもを食べてしまったらなによりも病院で医師に診てもらうことが一番良いです。
ソラニンに対して、解毒剤などといった直接利く治療薬は現状ありません。
そのためインターネットでこういった情報は得られますが、どうしても応急処置になります。
内科の医師に診てもらい必要であれば薬を処方してもらうことで自宅で応急処置するときよりも早く回復が望めます。
できれば症状と度合がわかりやすいように何分前にどれくらいの量を食べてしまったかを確認してから病院へ受診することをオススメします。
食べる際の調理で気をつけたい事
もしご家庭で多少芽が出ていたり変色したじゃがいもを見つけた場合は焦って丸ごと廃棄しなくても大丈夫です。
発芽している部分を大きめにカットしたり、皮を厚めにむくなどしてソラニンが含まれている恐れのある部分を全て取り除けば食べられますので安心してください。
ただし全体的に濃い緑色へ変色が進んでいたり、何センチも芽がのびてしまっているものはその部分だけを取り除いても安全とは言い切れない場合があります。
そういったじゃがいもは破棄するようにしてください。
ソラニンは170℃以上加熱することで分解されるとも言われていますが、170℃以上の加熱をすれば「絶対大丈夫」というわけでもないというデータもあります。
そのため、安全のためにも皮や芽、変色した部分をしっかりと取り除くことが重要になります。
気をつけたい保存方法は?
生の場合
調理前の生のじゃがいもは20℃以上の場所に置いておくと発芽しやすく、ソラニンが発生してしまうといわれています。
さらに日に当たることでじゃがいも自体が緑色に変化してしまう性質もあるため6~10℃前後の場所でかごやポリ袋に入れ通気性の良い暗い場所で保存すると安全に日持ちします。
またエチレンという植物ホルモンにはじゃがいもの成長を抑える働きがあります。
身近な食べ物だと、りんごがエチレンガスを多く発生させるのでりんごとじゃがいもを一緒に保管することによって芽が出るのを抑え、結果長く日持ちさせることが出来ます。
これらの目安は「皮付きの購入したて」の状態の場合です。
皮をむいたり調理用に切ってしまってあるものはラップをまいて冷蔵庫で保管したとしても1週間以内に食べきるようにしましょう。
ゆでたモノの場合
ゆでた場合もあまり長持ちしません。
カット済みのじゃがいも同様にラップをまいておき冷蔵庫で2、3日中に食べきるようにしてください。
調理して保管する場合
じゃがいもの主成分はでんぷんです。
そのため雑菌が繁殖しやすくあまり日持ちしません。
また常温保管もいたみやすくなるため料理が冷めたらすぐに冷蔵庫に入れることがベストです。
ポテトサラダのようなものは冷蔵庫に保管しながら1、2日程度で食べきるようにして煮物のような料理は毎日火入れをして加熱殺菌もしながら2、3日程度で食べきれるようにしましょう。
日を分けて食べる場合は食べきる量を小分けにして保管するか、雑菌が繁殖しないように取り分けの時に新しい箸やスプーンを使ってください。
冷凍保存の場合
冷凍する場合はおおよそひと月程度が保存できる目安です。
まるごと冷凍しても、調理サイズに切り分けたものでもどちらも差がなく保存することができます。
ただし、一度冷凍すると触感などが悪くなってしまいます。
触感が気にならないポテトサラダやマッシュ状にする料理であればおいしく食べることができます。
長期保存する場合
じゃがいもはうまく保管することができれば数か月単位で保管することも可能です。
方法は生のじゃがいもを保管する場合でお伝えした条件すべてを整えた状態、といった感じです。
じゃがいもについている土をある程度はらい、新聞紙で内側を保護した段ボール箱や袋の中に入れます。
その中に、詰めすぎないようにじゃがいもを入れ新聞紙数枚をじゃがいもにかぶせる様に覆います。
最後に密閉にならない程度に軽くふたをして冷蔵庫の野菜室か3~8度くらいの冷暗所に置けばOKです。
夏場と冬場で温度が変わってきますので倉庫や納戸などで行う場合は温度調整に注意してください。
また、ほどよい湿度と0℃以下にならないことで腐敗を防ぐだけではなく触感なども守れます。
箱買いしたときなどは試してみてくださいね。
鮮度の良いモノの見分け方
一番おいしく食べられるのは旬の時期のじゃがいもです。
よく春先になるとスーパーなどで「新じゃが」という言葉を目にするのではないでしょうか。じゃがいもの旬は5~7月ごろです。
この時期のじゃがいもは皮も薄くそのまま食べられます。
また水分量も多く、まさに旬ならではの美味しさです。
また、新じゃがいも以外のじゃがいもは下記のポイントを押さえて選ぶとよりおいしいじゃがいもに出会えると思います。
- ずっしりと重みがあるもの
- 丸みがあり、皮にハリがあるもの
- 中に空洞がある場合があるため、大きすぎないもの
- 皮が薄いもの
- 芽が出ていたりキズのないもの
とくにバラ売りのものは乾燥している場合が多いです。
ハリのあるもの、傷の無いものをよく見て選ぶことをオススメします。
他に中毒の危険がある食べ物とは?
ではじゃがいもの他にも身近な食品で食中毒に注意するべき食べ物はどういったものがあるのでしょうか?
サバやアジなどの魚介類
魚介類を食べて、激しい腹痛を起こしてしまった場合、アニキサスという寄生虫が原因のことがあります。
サバ、アジ、カツオなどを生で食べる際は注意が必要です。
アニキサスは肉眼でも見える寄生虫で、魚の表面にトグロを巻いて付いていることがあります。
その際は箸やピンセットで取り除きましょう。
生食用でないものは加熱することが大切です。
70℃以上また60℃で1分以上の加熱でアニキサスは死にます。
サバやアジなどを刺身で食べる際は、必ず生食用を加熱して食べる際は、中心までしっかり火を通して食べましょう。
カキなどの二枚貝
カキなどの二枚貝を食べる際は、ノロウイルスに気をつけなければなりません。
ノロウイルスは感染力が強く、施設や学校などでは集団食中毒の原因となることで有名です。
特に高齢者や小さいお子さんなど免疫力の低い方は、重度の症状が出てしまい、最悪死に至るケースもあります。
症状は、噴出するような嘔吐や下痢、発熱などです。
ノロウイルスを防ぐためには、調理前の手洗いの徹底85℃~90℃で90秒以上加熱することが大切です。
もし、ノロウイルスに感染した家族が出てしまった場合は、感染者が使用したトイレや嘔吐場所の消毒を徹底することが必要です。
卵や鶏肉、豚肉
卵や鶏肉などで起こる食中毒は、サルモネラ菌という病原菌が原因で起こります。
サルモネラ菌は鶏卵や鶏肉などに潜んでおり少量でも食中毒になる可能性があります。
症状は腹痛、下痢、発熱などです。
熱には弱いため、75℃以上で1分以上加熱することによって死滅します。
卵の賞味期限が切れたものは、菌が増殖しやすいため生食は避け、しっかり加熱して食べた方が良いでしょう。
明らかに腐敗がしているものは食べないでください。
また、鶏肉や豚肉はカンピロバクターに注意する必要があります。
カンピロバクターは鶏肉、豚肉、牛肉などの食肉でよく起こる食中毒です。
レバ刺しやユッケなどで、肉を生で食べた際に起こることで有名です。
こちらもしっかり加熱することで菌は死滅します。
ただ、焼き肉などで生肉を触った箸や手で他の食材を触ってしまうことで菌が移ってしまう可能性があります。
そのため、生肉用の箸や皿を別で用意すること、生肉を触ってしまった場合は、手を洗うことが必要です。
日本人は刺身や卵かけご飯など生ものを食べる文化がありますが、生食の際は食中毒には十分気を付けなければいけませんね。
調理前後の手洗い・消毒や加熱処理で食中毒は防げますので、徹底した管理を行いましょう。
また、生食用でも鮮度の落ちてしまった場合は、加熱用として食べる選択も必要ですね。
まとめ
じゃがいもを食べて喉がヒリヒリするのは、じゃがいもに含まれるソラニンという物質が原因ということがわかりました。
これは皮や芽、変色部位を取り除くことで防げるので、じゃがいもを食べる際は注意しましょう。
他にも生魚や貝、卵、食肉など食中毒に注意しなければいけない食べ物が色々ありますね。
これらはよく加熱することで食中毒を防ぐことができます。
もし、食中毒を引き起こし、嘔吐や下痢など症状が出たらすぐさま病院に行きましょう。