選択的夫婦別姓に賛成する理由は?
近年日本では、選択的夫婦別姓が話題を集めています。
夫婦同姓については、民法で定められており、最高裁判所においても、過去の事例で夫婦同姓は合憲であるという判決が下されました。
男女共同参画社会を目指していく中で国会でも度々、選択的夫婦別姓の導入を検討する動きが見られていますが、実際には法改正の具体的な目途は立っていません。
一方、世論では選択的夫婦別姓に対する賛成派が多数を占めています。
賛成理由として以下のようなものが挙げられています。
①女性ばかり苗字を変えるのは不平等
現状、結婚を機に苗字を変えるのは女性がほとんどとなっています。女性だけを対象にしている法律の存在は不平等だという意見が多くなっています。
②女性の社会進出が進んでいる
近年、女性の社会進出が進んでおり、苗字を変更することがキャリアの妨げになるという意見もあります。
③海外では夫婦別姓が認められている
夫婦別姓を認めている国が多く、日本でも導入するべきだと考えている人も多いです。
また、国際結婚の場合は夫婦別姓が認められているのに対し、日本人同士の結婚では認められないのは憲法上の平等原則に反するという意見もでています。
今回の記事では、上記のように多くの人が賛同している選択的夫婦別姓のメリットや反対意見についてもさらに踏み込んで解説していきます。
選択的夫婦別姓のメリットは?
賛成派が過半数を得る選択的夫婦別姓の導入ですが、メリットとしては、自分のキャリアを保つことができるという点が挙げられています。
苗字を変更することによって、自らがこれまで築き上げてきたキャリアが断たれる可能性があります。
名刺の刷り直しや社内外への説明、これまでの論文等の成果物の著者名と一致しなくなる等のデメリットを解消することが可能になります。
また、戸籍、パスポート、免許証などの公的手続きが不要になる点も大きなメリットとなります。
公的手続きの他にも、クレジットカードやハンコ、銀行口座等の名前変更も必要となり、非常に手間と時間がかかります。
選択的夫婦別姓制度は、あくまで選択制なので、苗字の変更をしたい方は同姓にすることも選べます。
そのため、従来通り夫婦同姓とすることも問題はないので、世論では反対派の意見が少なくなっていると考えられています。
選択的夫婦別姓への反対意見は?
世論では賛成派の多い選択的夫婦別姓ですが、反対派の意見も紹介していきます。
反対派の意見として多いのは、説明がややこしい、周囲が混乱するといったことが挙げられます。
夫婦別姓により、家族関係の説明が難しくなる可能性が指摘されています。
また、日本の伝統である家族同姓による一体感を重視する声も多く挙がっています。
夫婦別姓で子どもを産んだ場合、子どもの姓をどうするのか、また、家族の一体感が薄れることで離婚率が上昇するのではないかということを懸念する意見が多く見られます。
ここまで、夫婦別姓制度の導入に対する反対意見をご紹介してきましたが、実際に同姓か別姓か選択するのは各夫婦であり、2人の問題です。
男女平等が進んできた現在において、苗字の変更がデメリットになると感じる人が一定数いる以上は、法改正を前向きに検討する必要があるのではないでしょうか。
まとめ
近年注目が集まっている選択的夫婦別姓制度の導入ですが、世論では賛成派が多数を占めています。
一方で具体的な法改正の目途が立っていないのが事実です。
賛成派の意見としては、女性の社会進出が進んでいる中で、女性ばかりが苗字を変える必要があるのは不平等であることや、海外では夫婦別姓が認められているという点が挙げられています。
また、夫婦別姓のメリットとしては、自分がこれまで築き上げてきたキャリアを保てる、戸籍や免許証などの面倒な名前変更手続きが必要なくなるといったことが挙げられます。
しかし、夫婦別姓は周囲への説明がややこしい、家族の一体感が薄れる、子どもへの悪影響等の反対意見も挙げられています。
多くの人が導入を求めている制度ですので、今後の政府の動向には注目が集まるでしょう。