教科書のデジタル化によるデメリットはある?
2019年の学校教育法改正により、全国の小中高校でデジタル教科書の使用が可能になりました。
2020年12月現在では、デジタル教科書の使用は授業時間の2分の1以下という制限が設けられています。
しかし、日本政府はこの制限を撤廃する方針を固め、今後のデジタル教科書普及を目指しています。
デジタル教科書導入のデメリットとして考えられているのは、主に学校の管理コストの増加です。
デジタル教科書は、日々のメンテナンスやソフトのアップデートなど、紙の教科書と比較すると多くの管理業務が必要になります。
デジタル教科書の運用については、専門的な知識や技術も必要になるので、教師の業務負担も増えることになります。
また、小中学校の紙の教科書が無償提供なのに対してデジタル教科書は有償なので、家庭により格差が生じてしまいます。
今回の記事では、さらにデジタル教科書導入の理由と教科書のデジタル化によるメリットについてもさらに踏み込んで解説していきます。
教科書をデジタル化する理由は?
2019年に政府は、教育のデジタル化を推進するために教科書のデジタル化を導入しました。
学校教育法が改正されたことにより、授業時間の2分の1以下の時間でデジタル教科書の利用が可能になりました。
教科書のデジタル化の理由としては、これからの時代に必要な主体的・対話的・深い学びを目指すということが挙げられています。
新学習指導要領では、アクティブラーニングやディープラーニング、ICT教育などが推奨されており、これを実現するための手段として教科書のデジタル化を推進しています。
しかし、実際の導入に関しては、教育委員会や学校の判断に委ねられており、小中学校におけるデジタル教科書の普及率は1割未満という現状です。
背景としては、デジタル教科書が有償であること、デジタル教科書を運用して授業を行える教師の不足などが挙げられています。
教科書のデジタル化によるメリットもある?
ここまでは、教科書のデジタル化によるデメリットと導入の理由について紹介していきましたが、ここから教科書のデジタル化によるメリットについても紹介していきます。
教科書のデジタル化によるメリットとしては、主に以下のような点が挙げられています。
学習障害のある生徒への活用
デジタル教科書では文字の色の変更や拡大ができ、音声での読み上げ機能なども搭載しているので、学習障害をもつ生徒が利用しやすくなっています。
実際、デジタル教科書の一般利用については、授業時間の2分の1以下という制限が設けられていますが、学習障害のある生徒にはすべての教科での使用が認められています。
学習の幅が広がる
デジタル教科書には様々な機能が搭載されているため従来の授業のような一方向の教育ではなく、主体的な学習や対話的な授業への移行が期待されています。
通学時の負担軽減
紙の教科書の場合、教科毎に教科書を持ち運ぶ必要がありますが、教科書をデジタル化することで、端末のみのもち運びとなるので、特に小学生低学年の通学時の負担が大幅に軽減されます。
まとめ
2019年の学校教育法改正で教科書のデジタル化が導入されましたが、デジタル教科書は、日々のメンテナンスやソフトのアップデート等の管理コストの増加がデメリットとして挙げられています。
また、デジタル教科書を利用した授業ができる教師の不足、デジタル教科書が有償であることから、普及が進んでいないのが現状です。
教科書のデジタル化の理由としては、これからの時代に必要な主体的・対話的・深い学びを目指すということが挙げられています。
新学習指導要領では、アクティブラーニングやディープラーニング、ICT教育などが推奨されており、これを実現するための手段として教科書のデジタル化を推進しています。
教科書のデジタル化によるメリットについては、学習障害のある生徒への活用や、学習の幅が広がる、通学時の負担軽減などが挙げられています。
政府は、現状のデジタル教科書使用制限の撤廃や教材の無償提供を行う方針を固めました。
今後さらに教科書のデジタル化が進んでいくことが予想されます。
今後、各学校や教育委員会の動向に注目が集まるでしょう。