新型コロナウイルスの感染予防対策として学校でも三密を避けるように徹底されました。
それきっかけに、文部科学省では小中高校教育の「少人数学級」を全国に拡充する方向で話が進んでいます。
「少人数学級」とは現在1クラス40人のところを30人程度に減らすという方針です。
実際に新型コロナウイルスの流行がピークだったとき少人数制をとっていました。
その際、少人数クラスの時の方が不登校の子供の数が減ったというデータも出ています。
教師の目が行き届きやすく、いじめなどに対する対処も迅速かつ柔軟におこなえるとの見解もあるようです。
テストの添削など教師の事務作業も人数が少なければそれだけ速く終わります。
その分の空いた時間をより生徒の指導にあてられるといった面も良い点です。
他には、教室にゆとりスペースが出来るので教育環境がより良くなると考えられることや一人一人の発言、発表の機会が増えるということも期待がもてそうです。
このように「少人数学級」にはメリットがとても多いように感じます。
デメリットがあるとするならば、クラスが小規模になることで少人数の中でのグループ化や、人間関係を築くことが難しく感じてしまう子もいるでしょう。
また、集団的な教育がきちんとおこなえるか、社会性を身につけることが可能なのかなど慎重に検討しなければならない点もあるようです。
競争相手が少なくなることで闘争心が薄れてしまったりさまざまな意見に触れあう機会が減ったりというのは確かにあるかもしれませんね。
なぜ少人数学級の導入がなかなか進まないの?
メリットの方が大きいようなのに導入がなかなか進まないのは財源が大きな問題となっているからです。
1クラスの人数を減らすということはその分クラス数が増えます。そうすると担任の先生など必要な教師の数も必然的に増えてしまいます。
教室も確保しなければならないので学校設備の調整に費用が必要な場合もあるでしょう。
そうなってくると、全国の学校に少人数学級を導入するには約3600億~4900億円はかかる見通しです。
国と地方自治体で出し合うとしてもすぐに用意できる額ではありません。
そして、お金の面以外にも近年教員志望者の数が減ってきている傾向にあり、優秀な人材の確保も重大な課題となっています。
少人数学級になるのかどうか揺れる中、子供にしてあげられるケアとは?
新型コロナウイルス第一波の時に「9月入学」の案が出され、結果的に見送りとなりました。
そして今度は「少人数学級」ですが、これも “いつ実現するのかわからない”といった気持ちになっている方もいらっしゃることと思います。
新型コロナウイルスの影響で休校になり、色々なことが突然変更になってしまいました。
ただでさえ、子供たちはかつてないほどのストレスや不安を抱えています。
多くの子供や保護者にとって一番大きな心配は学業の遅れだと思います。
ですが、文部科学省も授業の遅れは2~3年かけて取り戻せば良いと言っています。
それこそ、今回長い間休校になったことで学校はただ勉強をするところではなく、友達と話したり学校行事をみんなで成功させたりすることによって心も育まれる場所であると再認識しました。
だから、勉強が遅れてしまっているのは事実だけれども必死になって教科書の内容を淡々と進めるのではなく行事なども省かずにおこなってほしいものです。
これは、家庭においてもいえることだと思います。
ついつい親心で、遊びよりも勉強する時間をとらせて、同級生の中で一人だけ遅れることがないようにしないとと力が入ってはいませんか?
今は、何より子供達の心のケアが大切です。
学校ではやはり無理が強いられている部分があります。
なので、家庭ではなるべく「子供達が求める日常」に近づけることを意識してあげてくださいね。
もちろんマスクをつける、三密を避けるなどは引き続き気をつけなければなりません。
しかし、学校から帰ったらお友達と公園で遊んだり家でごろごろしたりしてもいいのではないかと私は思います。
まとめ
随分昔の話にはなりますが、私の通っていた小学校は2クラスで、1クラスの人数は30人以下でした。
それが中学生になると5クラスに増え、クラスの人数も40人弱となりました。
小学校では先生も含め、みんな仲が良くクラスが1つにまとまっていたように思います。
中学校に入学したばかりの頃は人数に圧倒されて少し怖い印象を持ったことを今でもはっきりと覚えています。
私自身も「少人数学級」に賛成です。
自分の経験を振り返っても、のびのびと過ごせたと思うのは少人数だった小学校の方だからです。
現在学校に通う子供やその保護者からだけではなく、教育現場からも一刻も早い少人数学級の導入を求める声が上がっています。
財源や教員の人材確保など課題はあると思いますがまた見送りとならないように有言実行してほしいなと思います。