かんぽ生命の再開はいつ?これからどう変わっていく のか?
昨年6月に株式会社かんぽ生命保険 略称『かんぽ生命』の不正販売が発覚して1年が経過しました。
同社は10月に、以下の対策を基に営業を再開する事を発表しています。
- 営業推進管理の仕組みの見直し
- 募集管理体制の確率
- ガバナンスの強化
- お客様本位の組織風土の醸成
その他、
いただいた多数のご意見・ご要望をもとに、募集活動の改善に繋げて行くとともに、継続的なご契約内容の確認活動や年に1度ご契約者さまにお送りしている「ご契約内容のお知らせ」の改善などにより、様々な機会を通じてお客様からの声をいただくことを継続していき、お客様のご意向に寄り添っていく活動を続けてまいります。
と業務改善計画進捗報告書には書かれています。
かんぽ生命は、郵政民営化に伴い、2006年9月に設立された郵政グループの生命保険会社です。
資本金:5,000億円 従業員:8,283人
(2020年3月31日現在)
総資産額は、日本の生命保険会社首位の日本生命保険に次ぐ規模です。(2018年3月)
同社の商品の特徴は、加入時に医師の診査を不要として、郵便局の信頼を背景に100年以上の歴史があります。
2019年6月に職員が高齢者に対して、不利益となる保険の乗り換え契約を強引な形で勧めていた事が発覚し不正契約は約24,000件に上る事が発表されました。
また、半年以上にわたり新旧保険料を二重に支払っていた事例も約22,000件もある事など、契約者が不利益を受けた恐れのある契約が合計90,000件にも及ぶことが判明しました。
そもそも、かんぽ生命保険と日本郵便には、これまでにも内部告発や年に数1000件もの苦情が寄せられていましたが、両社はその事に真剣に向き合っていなかったという事も言われています。
政府金融庁と総務省は不正販売に伴い、一部の業務停止命令を行い郵政グループ3社のトップが辞任しました。
そこで、かんぽ生命は次のような業務改善計画を作成し実行しました。
- 契約調査
- 1の調査により、不適切な募集行為を行ったと認めら れる募集人に対する適切な対応
- 全契約調査の深掘調査
この調査結果で、日本郵政グループは法令や社内規則に違反した営業担当者2,448名に対し、保険募集人資格の取り消しや業務停止とする処分を決定したと発表しました。
かんぽ生命の不祥事の原因は?社員教育は?
郵政民営化・分社化以降、保険担当者にはノルマが課される一方、新契約獲得に応じて収入(給料)が上がる歩合制も強まりました。
調査委員会は「現場の営業力に見合わない営業目標金額が課されていた」と指摘しています。
また、同社の社外取締役が過半数であっても、ガバナンス強化の役には立っていなかった。
指し障りのない形だけの社外取締役を人選していたのでは会社のためにはならないとも指摘しています。
日本郵政グループの増田寛也社長は記者会見で「顧客の怒りや苦しみに思いをはせるとともに、社員1人々が顧客にお詫びし信頼回復に向けた業務運営を行う事と共に、社員教育をいちから見直します」と発表しました。
問題は山積みで何も解決していないと言う人も
国民の声には「なんで営業再開できるのか?保険業許可を何故取り消さないのか?役人同士の身内のかばい合い、国民をだまして、ふんだくる対象にするのか」などの声があります。
グループ幹部によると「早く販売を再開して、業績悪化に歯止めをかけないと、株主代表訴訟になりかねない」と話し、経営陣は顧客対応や現場の混乱回避よりも株価対策を優先しています。
真剣に再発防止を考えるのであれば、ガバナンスの在り方やコンプライアンスの徹底等を行い、合わせて民営化・分社化の制度設計の妥当性にまで踏み込んで検証する必要があります。
まとめ
ノルマを達成するためには、良い商品を持っていながら手段を選ばないという販売は、営業マンとしてほめられたことではありませんね、
過去の公務員として働いていた時の働き方と、民営化された職員の働き方には大きな違いがある事を自覚しなければなりません。
一般の企業では、能率・時間・採算・信用等色々な面を考えて事業を経営していますが、公務員は業務処理を優先して考えていることから
基本的に働き方への考え方が違っているように感じます。
一般企業では「これをすれば給料が貰える」ではなく、この行動によりどれだけ会社にメリットが生じ、最終的には自分に見返りがある事を考えて行動を起こします。
不正を生んだ体質は自粛期間で本当に変わったのか?
と言う疑問の声も多く聞かれているような姿を見ると私も前述のような対策を掲げているが、本当に実行できるのか?組織をいちから作り直すことも必要なのでは?
と感じてしまいます。